農業ビッグデータを活用してスマート農業を実現する
深層学習
深層学習(ディープラーニング)は、機械学習の教師あり学習法の一つであり、人工知能(AI)を実現する手法の一つである。機械学習にはニューラルネットワークとよばれる学習アルゴリズムがある。このニューラルネットワークを多層構造に繋げたものをディープニューラルネットワーク(DNN)とよぶ。DNN で学習をすすめるのが深層学習である。
DNN は多くのニューラルネットワークで構成されているため、多くのパラメーターを持つ。これらのパラメーターは、教師データを用いた学習を通して、最適な値が決められる。パラメーターが多いぶん、最適な値を決めるためには、大量な教師データを必要とする。これに加え、このような大量なデータを処理するために、ハイスペックなコンピュータも求められる。
深層学習は 2010 前後から研究が加速化された。それまでは、大量な教師データがなく、またコンピュータの性能も低くて、深層学習を実現することは難しかった。2010 年前後から、技術革新により、様々な高精度な測定機器・観測機器が作られ、農業を含む様々な産業から大量なデータを蓄積できるようになった。また、コンピュータのハードウェアに関しても技術革新が重ねられ、低コストでハイスペックなコンピュータが簡単に入手できるようになった。このような技術革新が、深層学習を加速化したと考えられる。今後、深層学習を産業技術への応用が期待される。